先週の秋茜のライブの前夜、車で帰宅途中に、信号で止まっていた前のタクシーが、赤信号で発進して右折、「あっ!」と思った瞬間にバイクと接触した。バイクは転倒して、運転していた若いお兄さんは足を痛めながら立ち上がろうとしていた。信号を無視したタクシーの運転手は、すぐに降りてきて状況を見に来たと思ったらまたタクシーに乗り込み車を移動…。その後タクシーの運転手はなかなか降りてこない…。ケガをしたバイクの若いお兄さんは、なんとか立ち上がって路上に倒れたバイクを起こそうとしていた。
ジーンズのひざは大きく破れ、出血しているのが見えた。自分でバイクを起こすなんて無理、無理〜〜!と思って、すかさず車を降りて助けに行った。
ケガの状況を確認して119番に通報しようと電話を取りに車に戻ったが、それにしてもぶつかってから数分が経つがタクシーの運転手がいっこうに降りてこない。
そう思った瞬間に久々に腹が立った。
タクシーの方に向かったら、運転手はなにやらお客と話をしている。
「けが人が優先だろう!?救急車呼んだのか?」
タクシー運転手「今するよ?」
(えええぇ〜〜〜〜???)「まだしてない? 俺が電話するよ?」
タクシー運転手「今、しますって…」
これは、この先の序曲にすぎなかった…。
「信号、赤だったろう?」
タクシー運転手「赤でも、自分の車は交差点の中に入ってたから、だから進んだ(そこに止まっていたら直進車に邪魔という意味)ので、別にそれは仕方が無い」
「交差点になんて入ってないだろう?完全に信号無視だよ」
タクシー運転手「だから無視じゃないですって」
「あんたが無視しなきゃぶつからないんだよ!」
タクシー運転手「だから赤でしたけど、無視じゃないですって」
タクシー運転手という職業は収入が少ないとか社会問題にされてたけれど、それには同情する気もあるが、こう自分の都合の良いことばかり並べて、責任を逃れようとするその運転手の態度にだんだん腹が立ってきた。けれど、今ここで、事故の原因を責めても、らちがあかないと思ったし「警察呼ぶから、そこでちゃんと話しようぜ。嘘つくなよ!」って言って…。
負傷しているお兄さんと話している間に、タクシー運転手、また車に乗り込み、自分のタクシーをガソリンスタンドの奥のほうへ移動させた。
(えええぇ〜〜〜〜〜っ???)
何やってんの? 人目につかないようにタクシー隠しちゃったよ。
事故現場にいるのは、負傷したバイクのお兄さんと僕と秋茜の移動に使っている機材車。
通りかかる車は皆、完全に僕がぶつけたと思って見ている…。
秋茜のパーカーまで着てるし…。
まぁでも、そんなの気にしている場合じゃない。
車の中からボックスティッシュを持ってきて、傷口を押えようとしたけれど、凄く痛そうだった。手の指も動かないって言ってた。
比較的早く救急車は到着したが、またもやタクシーの運転手、消える。
自分のタクシーの破損箇所を見に行っている…。呆れた。
救急隊が迅速に応急処置をして被害者に状況を聞いている。
タクシー運転手、自分の車の破損箇所を見てもどるやいなや、救急隊に「倒れたバイクがすべりながらぶつかってきた」と説明している。
こんな意地汚い大人にあったのは久々だった。
「嘘つくなよ!」
タクシー運転手「嘘じゃないよ!当たったボディーを見ればわかるんだよ!傷が下のほうに付いてからそれが証拠だよ」
「あんたが赤で出たからぶつかったんだろう? じゃなかったら、なんで青で直進のバイクが転ぶ理由があるのかよ」
そしたらタクシー運転手が急に救急隊員に「この人さっきから嘘ばっかり言うんです」って言い出した。
(えええええええぇ〜〜〜〜〜〜〜!!!) 俺の話が嘘?????
なんで俺が嘘つく必要性があんの? 加害者も被害者も全くの他人なのに…。
タクシー運転手「僕は被害者には謝るけど、この人は関係ない。さっきから嘘ばっかり言って話にならないから、あなたとは話す必要も無い!」
完全に俺が嘘つきになってる…。
と思ったら、救急隊の方がタクシー運転手に一言。
「あなた最初から、ちょっと態度が悪すぎですよ」って。
タクシー運転手は救急隊に一喝されてた。 Good Job!! 救急隊!!
何度も「警察にも電話しろ」って言ってたけど、救急隊にも一喝されてやっとタクシー運転手が自ら警察に電話。
最初は目の前で事故があって、被害者だけ助けようと思って、大丈夫そうだったら、次の日がライブだったし、様子見て早く帰ろうとも思ったんだけれど、こんな理不尽なことばかりするタクシー運転手じゃ、警察来ても嘘を言い張りそうなので、帰るに帰れなくなった。
警察が来て現場検証なり、1時間近くはかかるし、その後も、後日再度現場検証もあるような事も言ってた。
今の世の中、他人に何か起きていても、見て見ぬふりする人が多いでしょう。関わると何だかんだ時間をとられることにもなるし。
当事者じゃなくても、現場検証に立ち会ったり、警察まで行って調書を作ったり。
でも、今日も僕は再度現場検証に立ち会って、それに時間も費やした。
警察でボールペンくれた。
小学校の運動会で1等賞になってもらった鉛筆。
たかが鉛筆だけど、その物の金銭的な価値じゃなくて、なんだかちょっと嬉しかった。
警察なんて今まで交通違反で反則金は取られたことはあっても、何か物をもらうなんて無い。
「金銭的なお礼は出来ませんので、これをどうぞ」って。
ボールペン1本だけれど、ちょっと大切に使おうかなと…。
僕も若い時には悪いことばっかり考えてた時期もあったけれど、なんだか安全って、みんなが幅広く意識していかないと、自分だけじゃ安全は守れないのかなと…。
そして、人々の安全に一生懸命働いてくれている警察の人たちがいて、優しくて正義感が強くて。
ここで他人の事故の話を書くのもどうかと迷ったんだけれど、こんなタクシー運転手は、これ以上は増えて欲しくないなと…。
大人になってまた、わかったことがあった。


